マンションや店舗の駐車場でおきる「車上狙い」の被害が、広島県内で今年上半期に2771件(前年同期比314件増)に達し、被害総額が1億4700万円に上ることが分かった。 |
被害状況を調査するため、県警は、4~5月の1カ月間に発生した292件について分析した。被害の約6割が、午後8時~午前2時の夜間に集中。被害に遭った車のうち108件(37%)が無施錠、98件(34%)が助手席などの窓を割られていた。 被害場所はマンション駐車場と月極などの賃貸駐車場がいずれも20%、パチンコ店など店舗駐車場が15%、路上が11%。約8割のケースで、盗まれたバッグなどが車外から見えた。 |
被害防止には、店側の防犯対策も必要として、広島西署は8日、管内のパチンコ店長らを集め、駐車場への防犯カメラの設置や巡回の強化を求めた。店側も「予算の限界はあるが、防犯対策を進めることが店の信頼につながる」と応じた。 |
車上狙いは、民家などへの空き巣に比べ、被害感情が少なく防犯意識が薄いという。同署の武田元成刑事官は「マンションや店が防犯対策をすすめることが、利用客の危機意識を高めるのでは。『まさか私が』は通用しない時代。警察、店、客がそれぞれの立場で防犯対策を考える必要がある」と語る。 |