総務省消防庁は、07年度に核・生物・化学兵器を用いた「NBCテロ」に備え被災者から放射能やサリンといった汚染物質を洗い流す大型除染シャワー施設を大都市圏の特別高度救助隊に配備する。災害時に最前線で活動する同隊に大型除染シャワーを導入することで被災者の生存率向上だけでなく、現場の救助隊員や救急医療関係者らの汚染を取り除くことで救助活動の迅速化につなげたい考えである。
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除染シャワー施設は、テロなどの発生時に屋外にテントとして設営される。多数の人を自動噴射式の水のシャワーで一度に全身洗浄し、放射性物質や化学物質を除去する仕組みである。
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導入されるのは1時間に200人を除染することができる大型施設で、国内では最大級のタイプとされる。同隊が設置されている東京消防庁と政令市15消防本部のうち、五本部に配備される予定である。
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NBCテロが発生した場合、被害を軽減するには汚染状況の確認と除染活動を速やかに行い、被災者の搬送先病院での院内感染など二次汚染を防ぐことが重要である。95年3月の地下鉄サリン事件では一部の消防隊員も被災し、救助活動に当たる側の安全確保が大きな課題となった。
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