北朝鮮による核実験の地震波をめぐる情報収集で、日本政府が韓国政府に大きな後れをとっていたことが13日明らかになった。あらかじめ観測場所に兵士を派遣していた韓国に対し、日本は気象庁職員に頼り切りで、政府中枢に地震波情報が伝わるまで2時間余りの開きが生じた。
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また、中国から寄せられた核実験の予告情報が気象庁にきちんと伝わるまで1時間以上要していたことも判明した。
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北朝鮮による核実験は、9日午前10時35分に北朝鮮北東部で実施されたとされるが、この地震波を韓国では国立韓国地質資源研究院(大田市)で観測した。韓国政府は昨年2月に北朝鮮が「核兵器保有」を宣言して以降、核実験に関する情報収集体制を強化。8月14日からは地質学などの専門知識がある韓国軍兵士6人を同研究院に派遣していた。
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地震波の異常をすぐに大統領府に連絡。これを受けて盧武鉉大統領は9日午前10時50分に緊急閣僚会議の招集を指示したという。
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これに対し日本は、気象庁の精密地震観測室(長野市松代町)などが地震直後に地震波を記録していたが、東京・大手町にある本庁で地震津波監視課が地震波の確認作業に入ったのは報道機関から問い合わせがあった同日午前11時30分以降。外務省や内閣官房にその概要を伝えたのは午後1時頃だった。
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核実験が行われるとの予告情報は、中国政府から9日午前10時過ぎに日本政府に寄せられていた。この情報が具体的な形で気象庁にもたらされたのも午前11時30分過ぎだったという。この点でも政府内の情報伝達のまずさが浮き彫りになっている。
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