日教組の第55次教育研究全国集会が25日、三重県で3日間の日程で開かれ26日には初めて「学校・子どもの安全」をテーマにしたフォーラムが開かれた。ここでは、「監視カメラを付けても見る人がいない。ブザーに対応できる人もいない。学校の要塞化だけでは事件を防げない」「学校選択制で一人で通学する子どもが出る」など矛盾を抱える学校現場からの報告が相次いだ。 |
教研集会のフォーラムでは、大阪府教組で安全対策を進めてきた担当者は、「監視カメラを設置しても常時モニターを見る人員がいないため、活用できていない」と現状を報告。大阪市の中学校教諭は、不登校になりがちだった生徒が遅刻した際に、カメラモニターを通じた学校側とやりとりに困って登校をあきらめた事例を紹介。「服装チェックにまで使われていて、まさに監視カメラだ」と批判した。「地域との信頼関係構築に逆行する」との批判もあった。 |
各地に広がっている学校選択制の結果、一人で通学せざるを得ないなど、集団登下校による安全確保が難しいケースが出ることも指摘された。寝屋川市立成美小の教諭は「学校選択制が広がるほど、校区外の生徒が増え、現場の負担も大きくなる一方だ」と問題点をあげた。 |
会場からは「各校に不審者対策の刺股(さすまた)が配備されたが、まったく役に立たない」「(安全のために)何をすればいいか、アドバイスしてくれる専門員がいるといい」など教職員だけでは賄いきれない安全対策の現状を訴える声が相次いだ。 |