警察庁が7日までにまとめた今年上半期(1~6月)の犯罪統計によると、重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦、略取・誘拐、強制わいせつ)は1万1,304件で、前年同期より約1,600件、2割近く増えたことがわかった。統計の残る89年以降で最悪である。重要犯罪に対する検挙率も48.6%と初めて5割を切った。殺人は735件で前年同期より12.2%増、強盗は3,919件で25%増だった。 |
ただし、刑法犯全体は約133万9,000件と前年同期より1万件余も減った。上半期で前年より減ったのは8年ぶりである。これは、全国の警察が地域防犯に力を入れてきたことにより、ひったくりなどの街頭犯罪が減ったことが大きい。刑法犯全体の検挙率は21.7%で、前年同期(20.1%)よりポイントは上がったが、依然として厳しい治安状況にある。 |
今年上半期における著しい特徴は、殺人など凶悪犯罪で少年の摘発が増えていることで、殺人で摘発されたのは63人となっている。10年前の93年同期に比べて1.4倍であり、半期毎の記録が残る79年以降では最悪である。少年による強盗も93年の2.4倍の876人と急増している。殺人、強盗を含む凶悪犯全体は1,105人で、2倍近くである。 |
補導された14歳未満の触法少年は9,154人で、前年同期より5%減ったが、放火は112人で2.3倍である。これまで1年間で殺人で摘発された少年のピークは51年の443人である。その後、減少傾向に入り、75年からはおおむね70~90人台で推移したが、98年からの3年間は再び100人を超えた。少年による強盗は統計の残る49年の2,832人がピークで、71年からは3桁になったが、96年からは1,000人を超えている。 |