万引きと言えば子供の犯罪と言う誤ったイメージがあるが、広島県警・福山東署が今年1~8月に万引きで検挙・補導した人に占める60歳以上の比率が35.5%に達し、昨年まで最多だった未成年者の割合を初めて超えたことがわかった。 |
ここ数年、未成年者による万引きは減る一方にあるが、高齢者が徐々に増加し年半ばながら逆転した。 |
同署管内における04年の万引きで検挙・補導した人数は501人で、前年の427人より約2割増えた。今年は8月末までで282人。うち60歳以上は35.5%を占め、未成年者は28.0%にとどまった。広島県内における60歳以上の同期比率は30.1%で、福山東署管内は5.4ポイント上回っている。 |
同署によると、高齢者の万引きはスーパーなどで食料品や生活用品を盗むケースが圧倒的に多い。調べに対し「預金がなく年金を節約するためにやった」「パチンコで浪費した」などと動機を供述しているという。 |
万引きを警察に通報するかどうかは店側の判断に委ねられ、実数はさらに多いとみられている。市内に複数の店舗を展開するスーパーの防犯担当者は「最近は棚にすぐ商品を戻すなど手口が巧妙化し、声を掛けにくいのが実情。誤認して慰謝料を請求されるきが多い店舗を巡回し、店内に死角をつくらない商品陳列の方法や来店者への声掛けなど防犯指導を強化している。 |