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11/13株式会社ルネサス テクノロジが32ビットのICカード用マイコン「AE-5シリーズ」を開発し、第一弾として、大容量メモリを搭載した「AE57C」を製品化

- 高速、高性能CPU、大容量EEPROMと大容量マスクROMを搭載し、多機能化するICカード用途に対応 -
株式会社ルネサス テクノロジ(会長&CEO 長澤 絋一)は、このたび、第3世代携帯電話用USIM(注1)カードや、マルチアプリケーションカードなどの多機能・大容量ICカード向けに、当社では初の32ビットのICカード用マイコン「AE-5シリーズ」を開発。 第一弾として、132KバイトのEEPROM(Electrically Er asable and Programmable Read Only Memory)と320KバイトのマスクROMの大容量メモリを搭載し、最新のAES(Advanced Encryption Standard (注2))暗号処理に対応した「AE57C」を製品化し、2004年2月よりサンプル出荷を開始。本製品は、当社独自のアーキテクチャによるICカード用マイコン向けに開発した32ビットCPUコア「AE-5」を搭載し、特長は、以下の通り。
(1) 16ビットCPUコア「AE-4」に対し、上位互換で処理性能が約4倍のCPUコア「AE-5」を搭載
「AE-5」は、演算器および内部バス幅が32ビットのCPUコアであり、1サイクルで1命令を実行。当社従来品の16ビットCPUコア「AE-4」は、2サイクルで1命令を実行するため、「AE-5」は「AE-4」に比較して、約4倍の処理性能を実現している。また、「AE-4」の命令セット、アドレッシングモードに加え、新規命令やアドレッシングモードの追加など、拡張した上位互換であるため、「AE-4シリーズ」のプログラムの流用が可能です。これにより、本製品への変更が容易であり、さらにシステムの機能向上や性能向上が図れる。
(2) 大容量132KバイトのEEPROM、及び320KバイトのマスクROMを搭載
 当社ICカード用マイコンでは最大の132KバイトのEEPROMを搭載。さらに、320Kバイトの大容量マスクROMを搭載しているため、アプリケーションの複数搭載、大容量データの格納が可能となり、多機能なICカードに対応できます。また、EEPROMは、定評のある当社独自のMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型を採用し、高信頼性を実現。
(3) 高性能化、高セキュリティ化を図れる新規周辺機能
従来製品の「AE-4シリーズ」に対し、新規周辺機能として、バイトコードのフェッチやアドレス変換を実行してJava Card(TM)(注3)やMULTOS(TM)(注4)等の高速化を図れるBEM(Bytecode Extension Module)、また、高速通信をサポートするDMAC(Direct Memory Access Controller)を搭載している。さらに、暗号化機能として、最新のAES暗号処理を実行するAESコプロセッサを新規に搭載しているほか、従来のべき乗剰余演算用コプロセッサを強化し、より高度なセキュリティの実現が可能。
<製品化の背景>
 近年、マイコンを搭載したICカードは、海外の携帯電話用GSM-SIM(注5)カード向けを中心に急速に普及し、クレジットカードや銀行キャッシュカード、ETC(注6)カードや電子乗車券、IDカードなど多様な用途に採用され、普及が進んでいる。さらに、最近は、1枚のICカードで複数の機能を実現するマルチアプリケーションカードのニーズが高まり、複数のアプリケーションを実行可能なJava Card(TM)やMULTOS(TM)などの汎用OSの採用拡大や、アプリケーションプログラムの全体容量が増加。これに伴い、ICカード用マイコンへのニーズとして、汎用OSでの高速な処理やこれらのOSやアプリケーションプログラムおよびデータを格納できる大容量メモリの搭載、また、携帯機器で使用する上での低消費電力化、更にカードの偽造・情報の改竄を防ぐための高セキュリティ機能が求められている。 このような市場ニーズへの対応として16ビットCPU搭載の「AE-4シリーズ」を製品化しているが、今回、更なる高性能化・高機能化が必要となる第3世代携帯電話用USIMカードやマルチアプリケーションカード等向けに、32ビットのICカード用マイコン「AE-5シリーズ」を開発し、第一弾として「AE57C」を製品化。
<製品について>
本製品は、CPUコアとして演算器および内部バス幅が32ビットのCPUコア「AE-5」を搭載しており、1命令を1サイクルで実行。当社従来の16ビットICカード用マイコンのCPUコア「AE-4」は、1命令を2サイクルで実行するため、「AE-5」は「AE-4」に比較し、約4倍の処理性能を実現。また、「AE-5」の命令セットは、アドレッシングモードや命令の追加を行って強化した上位互換であり、「AE-4」のソフトウェア資産の流用が可能。さらに、ROMコード効率は「AE-4」に対し約20%向上しているため、プログラムは、よりコンパクトなサイズになる。 また、大容量のメモリを搭載。当社ICカード用マイコンでは最大の132KバイトのEEPROMは、アプリケーションの複数搭載、大容量データの格納が可能。さらに320Kバイトの大容量マスクROMは、複雑な処理を行う大容量の汎用OSを格納できる上、書き換え不要なアプリケーションプログラムやデータをあらかじめ格納しておくことで、EEPROM容量を最大限活用することが可能。 新規周辺機能として、BEM、DMAC、AESコプロセッサを搭載。BEMはバイトコードをフェッチして、ユーザ定義の実行アドレスへの変換を実行する機能で、バイトコードを使用するJava Card?等のOSによる処理の簡略化、高速化が可能。DMACは通信データの高速転送を行い、CPUの負荷低減および高速通信を可能にします。AESコプロセッサはDES(Data Encryption Standard)の後継として注目されている最新のAES暗号処理を実行し、高度なセキュリティ暗号への対応を容易にしている。 さらに、べき乗剰余演算用コプロセッサは、従来に比べて強化しているため、より高いセキュリティの実現が可能です。また2本のI/OにそれぞれUARTを内蔵しており、全二重通信にも対応。
開発ツールについては、フルエミュレータ「E6000H」と、簡易型エミュレータ「SE-I」を用意しています。 出荷形態は、「ウェハ」と「COT(Chip On Tape)」を準備。
今後、更なる大容量メモリやフラッシュメモリを搭載した製品、またUSBインタフェース搭載品などを開発し、「AE-5シリーズ」のラインアップ充実を図く予定。
(注1) USIM:(Universal Subscriber Identity Module)
 USIMカードは、利用者情報を記憶するカードで、カードを携帯電話機に組み込むことで、カード所有者の情報により電話することができる。
(注2) AES:(Advanced Encryption Standard)
 AESは米国商務省の標準技術局(NIST)にて策定された、DESに代わる新しい標準暗号方式。
(注3) JavaおよびJava関連の商標及びロゴは、米国Sun Microsystems, Inc.の商標。
(注4) MULTOS:Multi Application OSの略で、MULTOSは、MAOSCOの商標です。MAOSCOは、MULTOS仕様の制定、維持管理を行なうコンソーシアムであり、MAOSCO Limitedが事務局を務めている。
(注5) GSM-SIM:(Global System for Mobile Communications - Subscriber Identity Module)
GSMは携帯電話などの移動体通信の方式。SIMカードは第3世代携帯電話に使用するUSIMカードと同様に利用者情報を記憶するカード。
(注6) ETC:(Electronic Toll Collection system)
 ノンストップ自動料金収受システム。車両が有料道路の料金所を通過する際に、路側無線装置と車両に搭載された車載器との無線通信によって、自動的に料金収受を行うシステム。
* その他記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。
■価 格
<製品名/出荷形態/サンプル価格(円)>
AE57C/HWD65257CT/ウェハ/1,700
HD65257CLB/COT(Chip on Tape)/1,800
■お客様からの問い合わせ先
株式会社ルネサス テクノロジ 第一事業本部 マイコン事業部 ICカード部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
電話 03(5201)5238 (ダイヤルイン)


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