日立製作所都市開発システムグループと日立ビルシステムは23日、オフィス内にホストコンピュータやサーバーを設置せずに入退出管理ができる「インターネット型入退出管理システム」を共同で開発し、11月1日から販売を開始すると発表した。 |
本システムは、入退出管理システムと日立カスタマーセンターを電話回線やインターネットに接続することにより、システムの導入および運用コストを大幅に低減させることが可能となる。標準的なシステム構成例は、入退出制御装置×1台、非接触ICカードリーダーおよび電気錠×2セット。セット価格は2万円/月(税込み)。その他工事費およびカスタマーセンターの運用管理費含み。 |
近年、オフィスや公共施設を狙った犯罪が増加・凶悪化しており、それらの施設では、セキュリティ対策の強化に対するニーズが高まっている。日立グループでは、すでに、これらの施設で働く人や資産の安全確保を目的とした入退出管理システムを製品化し、セキュリティシステムの構築からその導入、さらには導入後の24時間365日保守サービスまでを一貫してサポートする「トータルセキュリティサービス事業」を展開している。 |
しかし、従来の入退出管理システムは、システム構築のために、施設内にホストコンピュータやサーバーを設置する必要があり、中小規模のオフィス、テナント、施設などに導入するには、導入および運用コストが割高となっていた。 |
また、施設にシステム管理者がいない場合には、入退室管理システムを導入できないケースが多いという問題もあった。そのため、これらの施設では、各種コストの低減に加え、システム導入の簡素化が求められていた。 |
今回発売する「インターネット型入退出管理システム」では、新たに開発した入退出制御装置を電話回線やインターネットを通じて日立カスタマーセンターと接続する。これにより、個々の顧客によるホストコンピュータやサーバーの保有が不要となり、大幅なコストダウンを実現している。また、入退出制御装置に、非接触ICカードリーダーと電気錠を最大で6セットまで接続することも可能である。さらに、大規模な施設向けには、最大で24台の非接触ICカードリーダーを接続可能な入退出制御装置もラインアップしている。 |
本システムは、スペースの限られているオフィスやテナント、学習塾などの小規模な施設から、学校、病院、工場など大規模な施設、さらには複数の建物に分散した支店などに至るまで、新設・既設ビルを問わずに導入可能であり、コストおよび運用面で大きなメリットを提供できる。 |
日立製作所都市開発システムグループと日立ビルシステムは、今回のシステムについて、年間で300セットの販売を目標としている。また、今後、なお一層の伸びが期待できる本市場において、さらなる事業規模の拡大を図ることにしている。 |
インターネット型入退出管理システムの概要は次のとおり。 |
1.システム構成 |
(1)最小構成 ・入退出制御装置:1台、非接触式ICカードリーダー:1台、電気錠:1台 ・システムと日立カスタマーセンターを電話回線で接続 ・既存のビルや施設のドアにも簡単に取り付けが可能 |
(2)システム拡張 ・入退出制御装置1台に、最大で非接触式ICカードリーダーと電気錠を6セット接続可能。ドア/フロア単位に容易に拡張可能 ・最大で24台の非接触ICカードリーダーを接続可能な入退出制御装置もラインアップ ・複数の入退出制御装置をネットワークに接続することにより、複数フロアや複数ビルでのトータル管理を実現可能 |
(3)オプション機器 ・熱線センサーなどの各種防犯センサー類 ・高いセキュリティを要求されるオフィスへの生体認証装置 ・監視カメラによる監視映像の蓄積と、顧客が指定した携帯電話、パソコンへの映像配信 ・各種異常や侵入検知の通知 |
2.システム機能 |
(1)ドア監視機能 ・非接触ICカードによる入退出管理 ・ドアの故障、長時間開放時のアラーム出力、ログ収集 ・カード紛失時、日立カスタマーセンターへの連絡によるカード使用不可設定 |
(2)ユーザー情報管理 ・ユーザー情報登録代行 ・ユーザー情報一覧閲覧 ・ユーザーごとの通行可能エリア設定 ・会社休日にあわせたドア運用カレンダー管理 |
(3)機械警備(オプション機器:センサー類の導入が必要) ・侵入者検知 ・複数のドアの施錠状況を一括管理する、機器状態ループ監視機能 ・異常検知時に、顧客の携帯電話へメール通知 |
(4)履歴管理 ・機器異常、ドアの長時間開放、こじ開け、無効ID使用などに関する報告書出力 ・顧客のパソコンでの入退出実績閲覧 |
(5)オプション機能 ・エレベーター連動サービス階切り離し制御(不停止階自動設定) ・照明、空調連動 ・警備会社連携による機械警備監視 |