(株)穴吹工務店(香川県高松市藤塚町、穴吹英隆社長)と日本フネン(株)(徳島県麻植郡川島町、久米徳男社長)は、このほどマンション用の防犯仕様玄関ドアを共同開発した。今回開発した玄関ドアは、玄関からの侵入を防ぐための防犯性能を高めたと同時に、わが国で初めての「お見舞金サービス」を付帯した。穴吹工務店は、この防犯仕様ドアを今後建築する自社分譲マンション「サーパス」シリーズに順次採用していく。 |
都市部において、住居に不法侵入する犯罪が年々増加している。ピッキングのほか、玄関ドアをバールなどでこじ開けたり、ドリルなどで扉に穴をあけて鍵を開けたりして侵入するといった大胆な手口の犯罪が増えていることから、こうした侵入に対する防犯仕様の玄関ドアの必要性が高まってきている。平成8年に警視庁に検挙された「空き巣ねらい」被疑者に対するインタビュー調査((財)都市防犯研究センターHPより)によると、一般的に住居侵入犯は侵入行為に5分以上を要すると約7割が諦めるとの結果もあり、ドアの防犯性能は、侵入目的の破壊行為に5分以上耐えられることを目標値として取組んできた。 防犯仕様玄関ドアの仕様面の特徴は次のとおり。 |
(1)ダブルロック仕様 鍵を2ヶ所設置することで、ピッキングやサムターン回しの手間が2倍必要。一般的に住居侵入犯人は、鍵の仕様がダブルロックであれば、その場で諦めるといわれている。 |
(2)バールなどでの扉・ドア枠のこじ開け防止策 戸先(錠前側のドアの縁)部分を特殊な形状(一体型定規縁仕様)にすることでバールなどによるこじ開けを防ぐ。また、ドア枠に補強材を入れて枠の変形を防ぐ。 |
(3)サムターン回し防止策 扉内部に補強材を入れ、穴あけを防ぐことにより外部からのサムターン回しを防ぐ。 本玄関ドアを採用した住戸では、第三者が侵入目的で玄関ドアを損壊した場合、建物完成後3年以内であれば一律10万円のお見舞金を支払う。防犯性能を高める一方で、万一被害に遭った場合にも、その経済、今回開発した玄関ドアが、第三者の侵入を目的とした不法行為によって損壊した場合であり、鍵部分だけを壊して侵入した場合は対象にはならない。また、盗難の有無に関わらず、ドアの破壊と侵入を試みた形跡が警察によって確認できればお見舞い金を支払う。なお。本サービスは保障期間内1回に限っている。 日本フネンは、業界で最初に一体型定規縁仕様(扉のこじ開け防止策)を開発し「SQタイプ」として販売している。また最近では、独自の技術を生かし防犯性能の高い玄関ドアの開発に取組んでいる。 穴吹工務店は、自社分譲マンション「サーパス」シリーズで、これまでも様々な防犯対策を施してきた。しかし近年、お客のセキュリティに対するニーズは高まり、"より安全な住まい"を求める傾向にあり、特にマンションなどの共同住宅の場合は、ピッキングなどによる玄関ドアからの侵入による空き巣ねらいの盗難が約4割(平成14年警視庁発表資料より)を占めており、同社にとってより防犯性の高い玄関ドアの開発は長年の懸案でもあった。本年4月、穴吹工務店から日本フネンに対する防犯仕様玄関ドアの共同開発の提案が受け入れられ、実現に至った。 |