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山形の企業組合が車の盗難防止装置を開発
~名前は「リモービ」、盗難車を携帯で取り戻す~

山形県知事認可の法人「ウエブシステム企業組合」(長瀬幹雄代表理事、平成16年1月)では、このほど携帯活用で車の盗難防ぐ防犯装置を開発し販売を開始した。車が盗難被害に遭ったとき、一報を知らせるメールが携帯電話に入り、遠隔操作でエンジンを止めることができる優れもの。
「盗難車両を有効に取り戻せるシステム」として、国内で初めて国土交通省から道路運送車両法の保安基準に合致しているとの確認を得た。高性能の盗難防止機能を持つ高級車などの盗難被害が後を絶たない中、盗難防止に有効な手段として期待される。
防犯装置の名称は「リモービ」。駐車場などに止めていた車が盗難被害に遭ったとき、不正なエンジン始動と車の移動を「車が移動されました」などの言葉で所有車の携帯電話にメール通知する。これを受け、所有者が携帯電話を使って車のエンジンを止め、衛星利用測位システム(GPS)を使って車の位置を特定。警備会社に連絡して自分の車を取り戻すことができる。
具体的には、車にリモービを置き、配線をシガーライターの電源に差し込む。これにより、リモービと車内が電気的につながり、エンジン始動を察知したり、エンジンを止めることができる。
最近の高級車には、キーに電子チップを内蔵し、専用のキー以外ではエンジンの始動ができないという自動車盗難防止装置「イモビライザー」が搭載され防犯効果を発揮しているが、この機能を持つ高級多目的レジャー車(RV)でも盗難被害に遭うケースも出始めている。
レンタカー会社では、契約期限を過ぎても車が返却されなかったり、転売目的で海外へ輸送される被害が多いという。ただ、利用者とレンタル契約を結んでいるため、一定期間が過ぎないと盗難被害を届け出ることができず、手遅れになることも多いという。さらに、高額な輸入車などは保証金の額が大きく、盗難保険に入りにくいケースもある。
こうしたことから、同組合の長瀬代表理事は「盗難防止よりも、盗まれた車を絶対に取り戻す」ことに着目し、3年前から開発に取り組んだ。遠隔操作でエンジンを止めるサービスは一部自動車メーカーが上位クラスの車種に採用しているが、被害を確認した後にオペレーターが操作する形となるため、所有者が即時にエンジンを停止できるサービスは国内初だという。
窃盗犯にリモービの機能を解除されないよう、装置の作動方法を工夫し、特許を出願。国外に持ち出された場合に備え、海外でも位置が特定できるサービスを4月から始める。
今回の事業は、県や県中小企業団体中央会の支援を受け、製造は高橋電子(新庄市)、取付・販売は東京と千葉の企業が担当した。長瀬代表理事は「山形で生まれたリモービが、車社会のスタンダードになれば」と期待している。


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