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監視カメラのゆがみ補正技術を開発
~岩手県警科捜研、手配写真作りに期待~

岩手県警科学捜査研究所(科捜研)などの研究グループがこのほど、監視カメラに映った人物が容疑者と同一人物かどうかを調べる顔画像鑑定で画像のゆがみを補正する技術を開発した。これにより、ゆがみが大きく鑑定に堪えられないこともある監視カメラ画像の証拠能力が格段に向上し、正確な指名手配写真作りが可能となるとしてり捜査への応用も期待されている。
新しい技術は、実際に容疑者を撮影した監視カメラで、63個の黒点を並べた「テストチャート」を撮影。得られたデータからカメラレンズのゆがみをコンピューターで解析し、自動的に画像を補正するというもの。
小型カメラで撮影され顔の両端が膨らんで見えるような画像も普通の一眼レフカメラで撮影した画像とほぼ同じ形に補正でき、容疑者との照合が正確にできるという。
一般的に銀行などのATM(現金自動預払機)やコンビニエンスストアなどにある監視カメラは、レンズの性能が低く、画像のゆがみが大きいため照合が困難な場合もあった。県警科捜研は04年以降、窃盗事件などで22件の顔画像鑑定を実施したが、画像のゆがみが原因で鑑定を見送ったケースもあったという。
この技術は京都市にあるソフト開発会社「メディックエンジニアリング」などと共同で開発した。裁判で証拠採用されるためには法医学関係の学会誌で紹介されることが必要で、予定される来年の掲載後に実用に移す。既に他県警から問い合わせも寄せられているといい、全国で活用が広がるとみられている。
研究グループを率いた岩手県警科捜研の琵琶坂仁上席専門研究員は、「裁判員裁判が始まれば、より正確な鑑定が求められる」と指摘し、「今後はマスクや帽子で顔を隠しても耳などから詳細な鑑定ができる。より正確な指名手配写真も作れるようになる」と応用に期待している。


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