NECソフト(東京都江東区)は26日、複合認証入退室管理システム「BiodePass(バイオデパス)」シリーズの新製品として新たに「顔とICカード」による複合認証を可能にしたシステムを今秋から新発売すると発表した。従来はお客のご要望に応じて顔認証、指紋認証、虹彩認証を組み合わせていた。
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「BiodePass」は、人の身体的特徴を鍵とする生体認証を活用した複合認証入退室管理システム。顔、指紋、虹彩はいずれも万人不同であるため、確実で強固な本人認証が可能となっている。認証エンジンは、NECが独自開発した顔検出/照合エンジン「NeoFace」および指紋認証システム「FingerThroughII」と、認証速度が速いシーベル(東京都板橋区、丹羽和則社長)の虹彩認証システム「IrisAccess3000」を使用している。また、短期間でシステム構築をすることが可能で、利用者の登録・変更・削除はパソコンで行うことができる。
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「BiodePass」シリーズの新製品では、ICカードをキーとして、さらに顔・暗証番号をケースに応じて組み合わせることができる。顔認証は利便性の高い本人認証という特徴がある反面、精度や登録者数に制限があったが、今回、ICカード認証と組み合わせることにより精度の向上を可能とし、登録者数を増やすことができるようになった。また、生体認証システムは、他の認証システムと比べて高価格という制約があったが、そこで近計システム(大阪市、西垣丈人社長)と協業し、より安くハードウェアの供給を受けることになり、さらなる低価格化を実現した。
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本製品の価格は、ハードウェア込みで1セット100万円前後を予定している。販売対象について業種は関係ないが、官公庁のほか大量の個人情報を扱う通信関連事業者、個人の財産を扱う金融機関などでの需要が考えられる。NECソフトでは、今後1年間に100セットの販売を見込んでいる。また、静脈認証などとの組み合わせなど今後も複合認証の強みを生かして「BiodePass」シリーズの拡充につとめることにしている。
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なお、NECソフトは本製品を今月28日~30日開催の「情報セキュリティEXPO」(東京ビッグサイト)に参考出展する。
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