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12mm×5mmと超小型な指紋認証センサーを開発

米Authentec社は、外形寸法が12mm×5mmと超小型の指紋認証センサー「EntrePad1610」を開発した。セキュリティ機能を必要とする携帯電話機やノート型パソコンなどの電子機器に向ける。現在OEM/ODMメーカー向けにサンプル出荷中で、06年4月以降、この製品を搭載したノート型パソコンなどが随時販売される見通しという。
同社の指紋認証技術では、指の内側にある真皮細胞層とセンサーとの間にRF磁場を発生させ、センサーと指紋の凹凸との間の距離を検知する。指の表皮層の細胞は死んでいるが、その内側の真皮細胞に導電性があることに着目した。
検知したすべての情報を取り込み、指紋のイメージ画像を生成する。「RF磁場を使うことで、指の汗腺をも含む非常に細かいイメージ画像を作ることができる。しかも、検出に必要な面積は非常に小さい」という。
一般に指紋認証技術には、RF磁場方式の他に、指紋の凹凸に発生する静電磁場を読み取る「静電方式」、指紋の凹凸の温度差を読み取る「熱検知方式」などがある。RF磁場方式を採用しているのはAuthentec社だけであるといい、「最も感度が高い方式である」という。
生成したイメージ画像は、独自のパターンマッチング・アルゴリズムを採用し、パターン認識を行う。複合化されたアルゴリズムを駆使することで、皮膚の狭い範囲だけでもイメージデータを高めることができるという。
盗難防止、企業や個人情報の保護などのセキュリティ機能だけでなく、電子機器の機能を自分の好みに合わせて操作することも可能になる。例えば、人差し指の認証でメールの使用を許可し、中指の認証で好みの音楽を再生する、といった使い方である。
近年、指紋を偽造して本人になりすます犯罪も起きている。これに対し同社は「TrueFinger」という独自技術を採用し、対策した。「イメージを捉えたり、パターン認識をしたりするのではなく、実際の皮膚の状態を細かく検知する技術」という。
Entre Pad 1610の主な仕様は以下の通り。
・外形寸法12mm×5mm、厚さ1.20mmか1.96mm。
・パッケージは40端子のBGA。
・検出マトリックスは128×5画素(500ppi時)。
・使用温度範囲は0℃~70℃。
・動作電圧範囲は3.0V~3.6V。3.3V、30cm/sで画像処理時の消費電力は35mA。
・指検出モード時の消費電流は4mA。
・対応OSはMicrosoftWindows2000およびXP、Linux v2.4/2.6。
・製造プロセスは0.35μmのCMOS。
・価格は5米ドル以下。
なお、Authentec社は、1998年10月にHarris Semiconductor社から独立したファブレス企業で、指紋認証センサーの市場シェアは50%を超えている。05年第4四半期(10~12月)には150万個を出荷し、06年第1四半期(1~3月)は200万個の出荷を予定している。06年通期(1~12月)では800万から1000万個の見通し。製造は、台湾TSMC社とシンガポールCharteredSemiconductor社に委託している。


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