沖電気工業は8日、このほどIP(インターネット・プロトコル)インフラを使用した遠隔映像モニタリングシステム「VisualCast-SS(ビジュアルキャスト・エスエス)」を構成する製品ラインナップとして小型化したエンコーダ/デコーダ「VisualCast-SS VBOX-S2(以下「VBOX-S2」)」とネットワーク型蓄積サーバ「VisualCast-ネットワークレコーダ(以下「ネットワークレコーダ」)」を新たに追加し、これらの製品を本日から発売すると発表した。価格はオープン価格で、販売目標は販売開始より1年間で「VBOX-S2」を3,000台。 |
近年、テロや凶悪犯罪の多発によりセキュリティシステムへの関心が世界的に拡がっており、中でも映像監視システムへのニーズが高まり、日本国内での市場規模は2,000億円を超えているものと推定されている。同社では、01年に遠隔映像モニタリングシステム「VisualCast」の販売を開始し、さらに03年からは映像品質の向上、機能強化を図った「VisualCast-SS」を販売し、官庁/自治体/空港施設などへ導入してきた。 |
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このような中、同社では、ユーザーから寄せられた装置の小型化、蓄積機能を含めたシステムの柔軟性/拡張性の実現などのニーズに対応するため、このほど製品ラインアップを強化し、従来製品に加え、「VBOX-S2」および「ネットワークレコーダ」を新たに販売することにしたもの。「VBOX-S2」は、従来の「VBOX-S」に比べ装置容積を約1/2に縮小してコンパクト化を実現した。「ネットワークレコーダ」は「VBOX-S2」から配信された映像データの受信/蓄積/中継/分配を実現する。 |
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「VBOX-S2」の小型化により、従来、エンコーダ装置の設置が困難であった狭い場所でも設置できるようになり、設置場所を選ぶ必要がなくなった。また、「ネットワークレコーダ」の導入により、ネットワーク上の任意の場所で映像の蓄積が可能になり、用途に応じたシステム構築・拡張を柔軟に行うことができる。 |
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また、「VBOX-S2」は、映像符号化処理機能の高性能化によって映像品質の向上を図ると同時に、映像配信制御にコンスタントビットレート方式(映像エンコーダ/デコーダにおいて映像伝送帯域を一定の範囲に保つ方式)を採用し、安定した映像伝送を実現した。なお、オプション機能によって、「VBOX-S2」にメモリカードを挿入することにより、映像の蓄積も可能である。 |
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主な特長は次のとおり。 |
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◇「VBOX-S2」 |
1) MPEG-4方式による高画質映像伝送:~4,096Kbps、D1(720×480)、~30フレーム/秒 |
2) 音声ストリームを双方向伝送:~256kbps |
3) 小型筐体:装置容積は従来品の約1/2(同社比)。 |
4) 映像モード:エンコード/デコード(切替え) |
◇「ネットワークレコーダ」 |
1) 受信/蓄積: 「VBOX-S2」からの映像データの連続蓄積 |
2) 中継/分配: 「VBOX-S2」からの映像データを複数個所に配信。ネットワークレコーダの多段接続も可能 |
3) ネットワーク上の設置箇所:任意 |
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VBOX-S2」の仕様は次のとおり。 |
▽映像符号化/復号方式:MPEG-4 Visual、JPEG |
▽映像解像度:D1(720×480)、VGA(640×480)、 |
▽CIF(352×288)、QVGA(320×240)、QCIF(176×144)、QQVGA(160×120) |
▽映像符号化フレーム数:0.5、1~30フレーム/秒 |
▽映像符号化ビットレート 16kbps~4,096kbps |
▽入出力映像モード:入力(エンコード)/出力(デコード)切替1チャネル |
▽音声符号化/復号方式:MPEG-4 AAC-LC |
▽音声符号化ビットレート:Mono:8~128kbps、Stereo:16~256kbps |
▽入出力音声モード:入力・ライン、出力・ライン |
▽カメラ制御:RS-232C/RS-422/RS-485による遠隔制御 |
▽ネットワークインタフェース:RJ-45(10BASE-T/100BASE-TX) |
▽センサインタフェース:接点・入出力各1個 |
▽記憶媒体:メモリカード・コンパクトフラッシュ(オプション) |
▽使用温度:本体のみ:0℃~50℃、ACアダプタ使用時:0℃~40℃ |
▽サイズ(但し、突起物は除く):200(W)×176(D)×35.5(H)mm |
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ネットワークレコーダの仕様は次のとおり。 |
▽受信/蓄積:プロトコル:ユニキャスト、マルチキャスト |
▽蓄積形式:連続蓄積 |
▽蓄積容量:ハードディスク容量による |
▽中継/分配 プロトコル:ユニキャスト、マルチキャスト |
▽運用管理:VisualCast-SSのシステム管理端末を使用 |
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