松下電器産業 パナソニック システムソリューションズ社(代表者秋山正樹)は14日、個人情報保護法への対応や店舗・オフィスの高画質・遠隔集中監視など企業や様々な施設で高まるセキュリティニーズに向けて新に開発したフルIPネットワークカメラ、ネットワークハードデスクレコーダー、新ソリューションなどについて東京・千代田区の経団連会館で発表した。 |
発表によると、IP(インターネット・プロトコル)ネットワーク対応でありながら、高画質、高解像度、高信頼性を実現するフルIPセキュリティ商品のラインナップを「i-pro」(アイプロ)シリーズと名づけ、第1弾として「ネットワークデスクレコーダー(WJ-ND300シリーズ)」を10月5日から、対応の「PCソフトウェアパッケージ(WV-AS65。モニタリングソフト)」を11月1日から新発売する。 |
また、遠隔地からも統合的に監視・モニタリングが可能な企業、金融・店舗向けの「遠隔映像監視ソリューション」の提供を11月7日から開始する。 本ソリューションは、AV系システム、設備系システム、情報系システムの統合制御を実現し、機器間連携、多機能化、省線化なども容易に可能にする松下グループのIP統合ネットワークプラットフォームであるシナプスネットで構築される。さらに、フルIP対応の監視カメラシステム「i-pro(アイプロ)シリーズ」のネットワークカメラとして、メガピクセル型と普及型を開発し、来年早々からの発売を目指すという。 |
近年、社会環境の悪化や個人情報保護法対応ニーズの高まりなどにより、単なる映像監視に留まらない企業価値の維持と向上を図るトータルなセキュリティリスクマネージメントの実現が必要となってきている。一方、技術面においては、ネットワークの広帯域化・高度化、各種機器のデジタル化などにより、IPを活用した映像セキュリティシステムが急速に普及しつつある。 |
IPセキュリティシステムは、従来のアナログのシステムに比べ、遠隔・集中監視の実現が容易でTCO(Total Cost of Ownership 導入・維持総コスト)の抑制や柔軟な拡張性がその特長であるが、より一層の高画質化、高解像度化、高信頼性が求められている。これらのニーズに対応するため、同社は本格的なIP対応のセキュリティ商品を「i-pro」(アイプロ)シリーズと名づけ、その第1弾として、最大32台のネットワークカメラの映像を高画質でダイレクトに長時間記録できるネットワークディスクレコーダーとPCモニタリングソフトを発売するもの。 |
11月から提供開始する「遠隔映像監視ソリューション」は、AV系システム、設備系システム、情報系システムの統合制御を実現し、機器間連携、多機能化、省線化なども容易に可能にする松下グループのIP統合ネットワークプラットフォーム「Sinapse-Net(シナプスネット)」に対応しているため、各種機器・システムの拡張、高機能化や統合運用が非常に容易なのが特長となっている。 |
今後「i-pro」シリーズとして、プログレッシブ方式のセキュリティネットワークカメラをラインナップ。高画質・高解像度映像を実現するメガピクセル(125万画素CCD搭載)タイプとネットワークケーブルを介して受電可能(PoE方式)で施工性が高いタイプの2機種を今冬に発売する予定である。 |
「遠隔映像監視ソリューション」の主な特長は次のとおり。 |
(1)IP統合による遠隔集中監視で業務負担を軽減 |
同社の監視カメラ(WV-NP472、WV-NS320など)、ネットワークデスクレコーダー(WJ-ND300)をIPネットワークを介してセンターと接続し、センターでの遠隔集中監視を実現する。センターで各拠点・店舗の監視映像を集中モニタリング、集中蓄積することにより、業務負担の軽減や人的ミスによる記録もれを防止することが可能。システム管理者は、監視端末を利用して撮影した映像のライブ表示、保存映像の検索・表示を行うことができる。また、操作履歴、機器動作状態などの集中管理やテープ交換のメール通知機能を搭載。 |
(2)大容量テープストレージにより長期映像保存で情報漏洩防止、抑止に効果 |
テープストレージのラインナップとして3タイプ(1.6テラバイト、10テラバイト、134テラバイト)を用意。カメラ台数、画質、保存期間などユーザーのニーズに合わせて選べる。また、テープの交換も容易であるため高い運用性を確保。 |
(3)従来製品のアナログ対応デスクレコーダーとの混在運用が可能で、既存システムへの拡張を容易に実現 |
同社のIP対応の新製品(i-proシリーズ)だけでなく、アナログ対応のデスクレコーダー(WJ-HD316A、WJ-HD350)とも接続した混在運用が可能。これにより、既にユーザーが使用中の資産を有効に活用することができる。 |
10月5日から新発売の「ネットワークデスクレコーダー」にはWJ-ND300/2(500GB。75万円)、WJ-ND300/4(1,000GB。95万円)、WJ-ND300R/4(RAIDタイプ、750GB。105万円)の3機種があり、年間4千台の生産計画。これに対応し11月から発売するPCソフトウェアパッケージ(オープン価格)は年間2千台の生産計画。 |
一般的にIPネットワークによる映像伝送システムの場合、圧縮技術やデータ伝送容量の制約により画質面で弱点があり、証拠性の高い画像が求められるセキュリティ分野では信頼性において不十分な場合があったが、本製品は、同社が監視カメラシステム事業で培ってきた画像処理、画像圧縮・伝送技術などを活かしながら、これらの弱点克服を図っている。 |
本製品は、ネットワークカメラからのデジタル映像信号を、IPネットワークを介してダイレクトに記録するもので、業界トップの最大32台のネットワークカメラ映像を安定して高画質録画。業界初のMPEG-4とJPEG双方の画像圧縮方式にも対応し、MPEG-4での高速動画モニタリング・録画とJPEGでの高精細記録を両立させている。さらにネットワークカメラのIPアドレスを自動設定するなど高い施工性を実現している。 |
同社は、本製品を皮切りにネットワークカメラなどフルIP対応システムを「i-pro(アイプロ)シリーズ」として展開していく。またi-proシリーズは、松下グループのIP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応し、複数地点を結ぶ遠隔監視から大型施設の統合監視まで多様化するセキュリティシステムへのニーズに柔軟に応えることができる。 |
ネットワークデスクレコーダーの主な特長は次のとおり。 |
(1)最大32台のネットワークカメラ映像を高画質で長時間記録 |
WJ-ND300シリーズは、最大32台のネットワークカメラ映像を記録することができる。ネットワークカメラからのデジタル映像信号がダイレクトにハードディスクに記録されるため、従来システムで必要だったAD/DA(アナログ/デジタル)変換が不要で、そのため距離延長などによる画像劣化が少なく、証拠性に優れた高画質映像を実現。またカメラ専用ポートを設けることで安定した画像データの受信(または取り込み)が可能。滑らかな映像で決定的瞬間の見落としや記録漏れを低減する。 |
内蔵HDD容量は、500 GBモデルと1000 GBモデル(RAID5機能付は有効容量750GB)がそれぞれラインナップされ、増設ユニットで最大7TBまで容量拡張が可能。長時間記録を実現している。 |
(2)優れた設置性と運用性により、柔軟で安心感のあるシステムを実現 |
WJ-ND300シリーズは、ネットワークカメラと合わせて運用する場合、IP設定を自動でおこなう「簡単設定」仕様で設置工事が容易である。また運用面では、MPEG-4/JPEG双方の画像圧縮方式に対応(MPEG-4は2006年1月より)し、ネットワーク環境や監視用途に応じて柔軟に使い分けができる。 |
各種設定、検索、再生、ライブモニタリングは一般のブラウザから可能。また複数台のWJ-ND300シリーズや従来商品WJ-HD316/HD350シリーズを統合管理できるPCソフトウェアパッケージWV-AS65が用意され、大規模なシステムでも運用コストを低減できる。さらに録画データの破損を防ぐRAID5機能やハードディスク内の記録映像をパソコンに保存したり、定期的にインターネットサーバーに送信できるコピー機能など万が一のシステムトラブルに備えた設計も実践している。 |
(3)IP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応 |
WJ-ND300シリーズは、IP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応しており、松下グループが提供している映像監視、情報配信などのAV系システムや情報系システム、生体認証システムおよび防災、照明、空調などの設備系システムを、ひとつのエリアあるいは施設で連携・統合する構想で、複数地点を結ぶ遠隔監視から大型施設の統合監視まで用途に応じて一段と高度なセキュリティシステムの構築が可能である。 |
発売が来年早々の予定のフルIP対応の監視カメラシステム「i-pro(アイプロ)シリーズ」の「ネットワークカメラ」のメガピクセル型(30万円前後の目標)と普及型(11万円の2機種は、撮影した映像をMPEG-4/JPEG方式で圧縮し、IPネットワークへ伝送するもの。 |
これの開発にあたってはIPネットワーク上においても、セキュリティカメラにふさわしい安定した高画質・高解像度な映像を実現することと、フルIPシステムに期待される基本要望「運用コストの低減」を実現することに注力してきた。以上のコンセプトを、同社は長年の監視カメラシステム事業で培ってきた画像処理、画像圧縮・伝送技術などを活かし実現した。さらに松下グループのIP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応し、複数地点を結ぶ遠隔監視から大型施設の統合監視まで、多様化するセキュリティシステムへのニーズに柔軟に応えている。 |
主な特長は次のとおり。(1)セキュリティ用途に応える高画質・高解像度を提供 |
本ネットワークカメラ2機種は、走査方式に従来システムに採用されていたNTSC方式よりも高密度な映像信号をもつプログレッシブ方式を採用している。また毎秒30枚のフルレート伝送を実現し、滑らかな映像で決定的瞬間の見落としや記録漏れを低減。 |
メガピクセル型ネットワークカメラは、125万画素CCDの搭載により最大1,280×960(従来比4倍)の高解像度と、同社が従来システムで培ってきた独自の専用LSIの継承で、最低照度1ルクス(白黒時は0.06ルクス)の高感度を実現。さらにメガピクセル型ネットワークカメラは、ABF(オートバックフォーカス)機能により、フォーカス調整の簡略化を実現した。一般的にメガピクセルカメラの運用にはフォーカス調整により精度が求められるため大きな効果が得られる。 |
(2)導入や運用・管理コストを低減、高信頼性を実現 |
画像圧縮フォーマットとしては、2機種ともMPEG-4/JPEG双方に対応しており、ネットワーク環境や監視用途に応じて柔軟に使い分けができる。2機種ともSDメモリーカード用スロットを搭載し、万一のネットワークにトラブルに備えて、SDメモリーカードに画像データのバックアップができる。 |
さらにメガピクセル型ネットワークカメラはアナログ映像出力を装備しているので、デジタルデスクレコーダーによる画像データのバックアップもできる。一方、普及型ネットワークカメラは電源工事が不要なPoE受電方式(Power over Ethernet方式、電源・映像・音声の伝送がケーブル1本で可能、IEEE802.3af準拠)の採用や画角調整用モニター出力の装備により優れた工事性を実現。導入時や拡張時の省力化を図った。 |
(3)IP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応 |
本ネットワークカメラ2機種は、IP統合ネットワークプラットフォーム「シナプスネット」に対応し、松下グループが提供している映像監視、情報配信などのAV系システムや情報系システム、生体認証システムおよび防災、照明、空調などの設備系システムを、ひとつのエリアあるいは施設で連携・統合する構想で、一段と高度なセキュリティシステムの構築を実現する。 |