三菱電機は、指組織内部の指紋情報を非接触で検出する世界初の生体認証装置として、乾燥した指や濡れた指に99%以上対応できる「三菱指透過認証装置」2タイプを開発し、デスクトップタイプを8日から新発売した。出荷日は10月11日。デスクトップタイプ「DT-TP」は「CEATEC JAPAN 2005」(2005年10月4日~8日:幕張メッセ)に出展する。「DT-TP」の主な用途は、金庫など機器への組込・業務システムでの認証用途など。価格(税抜き)はオープン。もう一つのタイプ「OPG-TP」はゲートタイプで、主な用途は入退室管理など。価格(税抜き)は49万円からで出荷日は06年1月4日。 |
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今年4月の個人情報保護法施行をはじめ、情報システムへの不正アクセスによる情報漏洩などセキュリティ意識の高まりから、様々な分野で精度の高い情報漏洩防止対策が施されるようになり、操作者個人を特定する認証装置の需要が急激に拡大しているが、三菱電機では企業における入退室管理やパソコンログインなどに用いる指紋認証装置を96年に発売以来、資産の保護や機密漏洩防止対策で多くの実績を上げてきている。 |
しかし、指の表面を検出する従来の接触方式の指紋認証装置では、乾燥した指や濡れた指などの認識が困難なケースもあり、不特定多数の人を対象にする病院や公共の窓口、水濡れ環境の多い食品産業などからは指の表面状態によらずに認識できるよう改善が求められていた。 |
このため三菱電機では、指紋の凹凸に応じた指内部の光透過率変化により、指の内部組織を光学的に検出する新方式の「指透過認証装置」を世界で初めて製品化することに成功した。 |
新製品の特長は次のとおり。 |
1.世界初の光透過率変化検出方式で乾燥指などへの対応率99%以上を達成 |
指内部の光透過率変化を検出する方式の採用により、指の指紋(表面状態)を用いる従来の認証装置では利用できなかった乾燥した指や濡れた指などが認識可能で、99%以上の対応率を達成した。指の内部の光学的特性を検出する方式を用いた認証装置の製品化は世界で初めて。人の指と偽造された指を識別できるので信頼性も大幅に向上した。 |
2.認証部の非接触化により、センサー部には触れずに認証操作が可能 |
指の爪側から光を照射し、指内部を透過した光パターンを指の指紋側に置くカメラで撮像するので、センサー部に触れることなく認証できる。清潔感を気にする利用者でも快適に操作できる。 |
3.認証処理機能等の内蔵により、さまざまな機器に適用可能(「DT-TP」) |
従来のパソコンログイン用生体認証装置は、認証処理ソフトウェアや登録用メモリー機能をパソコン側に持たせるのが一般的だが、本製品のデスクトップタイプはCPUとメモリーを内蔵し、認証処理と登録処理が装置内で完結する。パソコンを必要としないので、金庫やロッカーなど様々な機器への利用範囲が拡大した。システムへの組み込みは、別売りの開発キットを用いて、お客様自身で行うことができる。 |