暴れなどの異常事態が発生した場合、防犯カメラの画像をリアルタイムで解析・検知する新技術を開発 |
三菱電機ビルテクノサービス株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:岡部季生)は、エレベーター用防犯カメラで撮影した画像について、平常時の画像に比べて、エレベーター内にて不審な動き(暴れる、殴るなど)などが発生した場合、その暴れ動作がもたらす光学的な画像の変化(オプティカルフローの向きや大きさのばらつき)などを解析し、リアルタイムで異常事態を検知する技術を開発した。 |
当画像解析技術と同時に、エレベーター内における人物有無の検知についても画像解析技術を開発中。 |
エレベーター内における暴れ動作の解析するには、従来人物に取り付けたマーカーや身体の一部(目など)を検出し、時空間的に追跡する方法が採用されていた。しかし、エレベーターを利用する不特定多数の人にマーカーを取り付けることや、狭いかご室内でマーカーを付ける部分が常に見えるように防犯カメラを設置することは、難しいため、今回開発した解析技術では、エレベーター内の画像を4800コマに分割し、暴れ動作がもたらす光学的な画像の変化(オプティカルフローの向きや大きさのばらつき)などを解析し、変化したコマの個数やばらつきの値を評価することにより、暴れ動作を検知する方法。つまり、エレベーター内において、利用者が激しい動きを繰り返すと、分割した各コマが急激に上下左右に動いたり、大きく小さく不規則に動いたりするこの異常な動きを解析することで、利用者同士のいさかいや暴漢など万一のトラブルをリアルタイムで検知することを可能にした。 |
暴れ動作の検知レベルに応じて「極めて異常」「やや異常」「要注意」の3段階の判定も可能になった。エレベーター内における人物の有無は、人物の出現によって生じる画像上の変化を捉えることにより判断を行う。 |
すなわち、基準となる無人状態の内部の背景画像を1200コマに分割し、人物の出現による輝度値の分布形状を比較することで、効率よく変化領域を抽出。この結果抽出された変化領域の面積が所定の値以上である場合に人物が存在しているとみなす。 |
今後のエレベーター防犯対策への応用について |
1)エレベーター内における暴れ動作の検知 |
エレベーター内で異常事態(暴れ、殴るなど)が発生した場合に、その事態をリアルタイムに検知し、そのレベルに応じて最寄り階へ移動しドアを開く、警告アナウンスなどを自動的に行う。 |
2)エレベーター内における人物の有無の検知 |
エレベーター利用者の有無を把握し、その利用者が内部にいるにもかかわらず一定時間以上、呼びボタンを押さない、ドアが開閉していないなどの場合には、不審者が待ち構えている、急病などで動けない人がいるなどと判断し、最寄り階へ移動しドアを開く、オートアナウンスなどを自動的に行う。 |