松下電器産業は1日、半導体メモリーを記録媒体に用いた車載用デジタルレコーダーシステム「Toughbook-Arbitrator」を米国でパトロール・カー市場向けに今月から発売すると発表した。これまでのテープ・ハードディスク(HDD)・光ディスクといった記録部に駆動メカを必要とする記録装置を使ったレコーディングシステムは、衝撃や振動といった苛酷な環境での使用において信頼性に課題があった。今回のメモリーカードレコーディングシステム「Toughbook-Arbitrator」は、同社が開発した半導体メモリーカード「P2カード」を記録媒体に採用している。 |
これは、記録部に駆動メカを必要としないため衝撃、振動、高・低温、湿度などの過酷な環境にも強く、また、記録映像データを暗号化により保護することが可能なため、パトロール・カーをはじめとした極めて高度な信頼性・セキュリティが要求される車載市場でも十分な信頼性と安全性の確保が可能である。 |
また、広角・高感度カメラの採用や、堅牢ノートパソコン「TOUGHBOOK」との連動で、より鮮明な映像や、さらに高い信頼性を実現した。 |
同社は、これまで米国のパトロール・カー市場向けにVTR(VHS)を累計で30,000台以上販売してきており、これらの置き換え需要も含め「P2カード」を使った「Toughbook-Arbitrator」で、より信頼性の高いビジネスソリューションを提案していくとしている。 |
構成は、(1)AG-CPD10CRUP(カメラ/カメラマウント/P2レコーダー/4GB P2カード1枚/DCアダプタ、その他ケーブル 同梱)、(2)フロントエンドソフトウェア-、(3)ワイヤレスマイク、(4)レシーバー(マイク)、(5) トランスミッター(マイク)。 |
特長は次のとおり。 |
(1)半導体メモリー(P2カード)の採用により、車載環境での使用を考慮した高信頼性を確保、かつ多機能を実現 |
・従来のテープ・光ディスク・HDDと違って記録部に駆動メカを必要としないので、振動や埃、高・低温、高湿度といった悪環境下でも確実な記録・再生が可能。 |
・レコーダーには2つのP2カードスロットを搭載、かつ省スペースを実現(DINサイズ)。4GBカード2枚で最長32時間の動画(MPEG4、QVGA、30コマ/秒)を連続記録可能。 |
・記録映像データを暗号化により保護。 |
・メモリーは繰り返し書き換え可、かつ駆動部分がないためランニングコスト/メンテナンスコストを大幅に削減できる。 |
(2)広角・高感度カメラを採用 |
・広角レンズ搭載(3.5度-68.4度/水平)、かつ最大220倍のズーム可能。(光学22倍/デジタル10倍) |
・赤外線夜間撮影モード(白黒)も搭載、超低照度でも鮮明な映像の収録が可能。(最低被写体照度:0.7ルクス/カラー、0.04ルクス/白黒) |
・逆光補正、オートズーム、オートフォーカス、オートホワイトバランス搭載。 |
(3)堅牢ノートパソコン「TOUGHBOOK」(別売)を利用した機器制御や高速データ転送が可能 |
・パソコンからカメラ/レコーダーの制御が可能。 |
・記録/再生/停止/一時停止/スロー再生などが可能なフロントエンド(FE)ソフトウェア-を同梱。 |
・高速データ転送が可能。データベース化により、記録データの高速検索と管理も可能。 |
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