松下電器産業 パナソニック システムソリューションズ社(代表者 秋山正樹)は8日、6月20日から企業・店舗向け監視映像長期バックアップシステムの提供を開始すると発表した。本システムはAV系システム、設備系システム、情報系システムの統合制御を実現し、機器間連携、多機能化、省線化なども容易に可能にする松下グループのIP統合ネットワークプラットフォームであるシナプスネットで構築された第1弾。 |
シナプスネット(Sinapse-Net:Symphonic IP Network Architecture forPeople'sSafety & Ecology)とは、ネットワーク上の各コンポーネントがつながり、多様に連携するための情報のやり取りを共通化させるプラットフォーム。概念的に神経細胞間の情報のやり取りの接合部(Synapse結合)に似ていることにちなみ命名したもので、ユーザーニーズにマッチしながら進化・発展し続ける意味も込めている。 |
近年、犯罪の多様化・顧客情報の漏洩事故の増加や個人情報保護法の全面施行などで、各企業においては物理セキュリティに加え、情報セキュリティの確保が課題になっている。企業の機密漏洩の約70%は、従業員による盗難・流出などの内部要因であり、事件発覚までに時間を要するケースが多く、金融機関やインターネットデータセンター(IDC)を運営する企業においては、犯罪などが発覚した際の確認用として、また正しい行動を行っている場合の裏づけとして監視カメラの記録映像を数年間保存する必要性が高まってきている。さらに各種店舗を持つ企業では、犯罪の抑止、証拠画像保存用以外に、複数の店舗をセンターなどで統合的に管理することで業務負担の軽減や人的ミスによる記録もれ防止が要望されている。また機密情報保管室への出入りを入退室管理と映像監視の連動・チェックすることで、より高度なセキュリティ確保を行うなど様々なシステムとの融合が求められている。 |
本システムは、ローカルからネットワークを介した大規模・複数拠点の監視映像の蓄積を可能とし、企業・店舗内の映像記録装置として普及の進んでいる監視カメラと業務用ハードディスクレコーダー(デジタルレコーダー)システムに加え、テープストレージシステム(1.6テラバイト~)を接続することで、従来の業務用ハードディスクレコーダーの増設システムに比べて1年以上の記録保存時には、約半分のコストを実現する。またテープの交換も容易なので、高い運用性がある。さらにシナプスネットの特長の一つとして、IP監視カメラ増設や入退室管理システムとの連携(2005年秋以降対応予定)などセキュリティレベルに応じた最適なソリューションの提供、既存のシステムへも柔軟に追加などが可能であり、ユーザーの予算に応じたセキュリティシステムの拡張をスムーズに実現する。 |
主な特長は次のとおり。 |
1)監視映像バックアップ/長期蓄積の統合管理を実現 |
同社のデジタルレコーダー(高機能ハードディスクレコーダー)(WJ-HD316Aなど)に接続することでテープメディア(S-AIT、LTO)へのバックアップ、監視映像長期蓄積を実現。また、遠隔地のハードディスクレコーダーの蓄積映像やカメラ映像をネットワークを介してセンターで統合管理を行うことにより、業務負担の軽減や人的ミスによる記録もれを防止することが可能。その他、テープ・サーバ内の再生可能な映像の一覧表示機能、テープ交換時のPC表示に加えメール通知機能などの管理機能を持っている。 |
2)各機器の動作連携を容易に構成・変更、各種セキュリティシステムの融合を実現し多様なニーズに対応 |
カメラや設置拠点の追加や、バックアップの動作シナリオの変更が簡単に設定できる。また映像監視システムと、松下電工製の入退室管理システムe‐SGと接続させるなどセキュリティレベルに応じたソリューションを提供する(2005年秋以降対応予定)。これにより入退室時に監視映像を長時間記録し、検索することを可能にするなど多様なニーズに対応したセキュリティソリューションを実現する。 |
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