神鋼電機(本社:東京都港区)は、偽造された紙幣が頻繁に行使され全国各地で被害が拡大している状況に鑑み、小売店はもとよりタクシー、露天商、コンビニエンスストア、ホテル・旅館、観光バスなどでも簡単に偽造紙幣(日本円紙幣)を即座に判別できる高性能「小型偽造紙幣鑑別機」をこのほど開発し、4月末から発売する。 |
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同社は長年にわたりJRをはじめ各私鉄向けの自動切符販売機やレストラン向けなどの高機能食券販売機などを手掛けており、これまで培った紙幣鑑別のノウハウを持っているが、そのノウハウはいずれも偽造紙幣の鑑別というよりは真券鑑別が中心で、非常に高価格な装置となっている。今回開発した「小型偽造紙幣鑑別機」は、掌にのる程の大きさで、かつ簡便で低価格を実現するために、従来の真券鑑別と全く異なった画期的な新しい技術により開発した。 |
最近、パソコンやスキャナー、高精細なカラープリンターなどの高度なDTP製品の普及により、多くの偽造紙幣が出回っている。また、最近では一般小売店はもとより、初詣などで混雑する露天商や薄暗いタクシー内での金銭授受の場を狙って偽造紙幣を使用するケースが目立つなど、その手口は巧妙かつ大胆になってきている。 |
タクシーや小売店など小規模事業形態の場合、銀行などで使用されている高価な偽札鑑別装置を設置することは難しく、それぞれが手触り具合や透かしを目視する程度が自衛策となっている。また金銭の受け渡し時に、お客様の前で疑い深くしげしげと見定めることが憚れることもあり偽造紙幣の被害が拡大している。 |
このほど同社が開発した「小型偽造紙幣鑑別機」は、極めて小型でありレジやタクシー内に置いても目だたず、目視による判別は全くせずに、紙幣を装置に差し込みボタンを押すだけで、赤ランプか緑ランプが点灯し、一瞬にして機械的に偽造紙幣かどうか判別することができる。また、超小形で電池駆動式なのです電源のないタクシー内や露天商、その他どこででも簡単にお客に不快な思いをさせずにスマートに使用することができる。 |
一部類似の小型装置が市販されているが、それら他社製品の全ては、ブラックライトなどで光を当て人間が判定しなければならない。そのため時間もかかり見誤ることもあり得る。今回、同社が開発した製品は唯一、全て機械が判定し、人間が関与せずに判別できるところが他社装置との大きな違いとなっている。 |
価格は小売店やタクシーなどでの使用を考慮し、19,900円と超低価格としている。同社の子会社である日本デジタル・フォート(株)のネット販売や、同社プリンタシステム営業部が窓口となり4月末から一斉に販売を開始する。 |
主な仕様は次のとおり。 |
・大きさ:(W)157mm×(H)76mm×(D)41mm ・重さ:約220g(除く乾電池) ・駆動電源:9V 乾電池×1個 ・鑑別判定時間:約1秒/枚 ・対象紙幣:1万円(新・旧)、5千円(新・旧)、2千円、千円(新・旧) |