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松下電器・松下電工が業界初のAV系/設備系/情報系システムを統合制御

松下電器産業と松下電工株式会社は、業界で初めてAV系システム、設備・電材系システム、情報系システムの統合制御を実現し、機器間連携、多機能化、省線化なども容易に可能にするIP統合ネットワークプラットフォーム「Sinapse-Net(シナプスネット)」を開発、確立した。両社は包括的な協業関係のもと、お互いのブラックボックス技術を融合させた「コラボV商品」の展開を推進しており、「シナプスネット」の開発もその取り組みの1つ。本プラットフォームを活用した各種分野・業界向けのソリューションパックを具体的な「コラボV商品」として05年度下期から順次発売する。
事業展開としては、 「シナプスネット」に対応する機器・ソフトウェアを組み合わせ、用途・ニーズに合わせたシステムを迅速、柔軟に提供できるソリューションパックを各種分野・業界向けに05年度から順次発売しラインナップ化していく。特に両社の技術・商材を融合させたソリューションパックを「コラボV商品」として05年度下期から発売する。こうした取り組みにより港湾、空港、鉄道など向けの公共インフラセキュリティ、商店街、集合住宅、駐車場など向けのタウン・マンションセキュリティ、ビル、オフィス、店舗など向けの企業トータルセキュリティの各分野でセキュリティソリューション事業を拡大していく方針である。
「シナプスネット」は、ビル・オフィス、マンション、公共インフラなどで従来から使用されている各種ネットワーク上で取り扱われている映像、音声、データ、制御信号を一元的に扱うためのIP(インターネット・プロトコル)ネットワークプラットフォームで、これまで基本的に別々に制御されてきた各種システムの連携、統合運用だけでなく、特にIPでは難しかった低遅延の高画質動画伝送も統合ネットワーク上で実現する。
本プラットフォーム上で、松下電器と松下電工の機器、システムの統合による「ビル丸ごと」、「エリア丸ごと」のソリューションのパッケージ化が可能になる。まず松下電器のIP監視カメラやハードディスクレコーダーと松下電工の設備・電材系システム「EMITマイクロホームページ」の統合を図っていく。
松下電器が提供している映像監視、映像・情報配信などのAV系システムや、松下電工が手がけている防災、照明、空調、電力などの設備・電材系システムにおいては、これまで用途ごとに個別のシステムや配線が用いられ、主にアナログによる制御や画像処理が行われてきた。しかし近年では、犯罪の多様化や個人情報保護法の施行、省エネ法の改正などを背景に建物・エリア丸ごとの総合的なセキュリティ・防災強化や、省エネ、運営効率化、システム統合による多機能化などのニーズが急速に高まっており、従来の個別のアナログシステム、配線では対応が難しくなってきている。
「シナプスネット」は、こうしたニーズに対応するデジタル、IPの統合ネットワークプラットフォームで、各種機器・システムを連携させるミドルウェア、制御ソフトなどから構成されている。このプラットフォームにより、大規模・広域リモート集中監視システムや、建物・オフィスの物理・情報両面をカバーするトータルセキュリティシステム、防災・空調・照明も組み合わせた複合システムなどの提供が可能になり、簡単施工や柔軟なシステム拡張、運用コストの低減も実現できる。
両社は「ビル丸ごとソリューション」や「エリア丸ごとソリューション」を、官公庁、企業、建設市場向けに幅広く展開し、ユビキタスネットワーク社会の安心・安全、便利・快適、省エネを実現するトータルなセキュリティソリューション事業を拡大していく方針である。
主な特長は次のとおり。
1)AV系システム、設備・電材系システム、情報系システムの機器間連携、統合制御を実現
コンポーネント連携ミドルウェア、統一制御ソフトなどにより、映像監視、映像・情報配信、入退室管理、防犯、防災、照明、空調、電力などのシステム内やシステム間の機器連携、統合制御が容易に実現できる。これによりセンサーと映像、PCが連動したセキュリティシステムやビル丸ごと、エリア丸ごとの集中管理システムなどの構築が可能である。
2)低遅延の高画質動画伝送を実現
IPシステムは、長距離伝送や様々な場所での操作が可能、複数経路の伝送により障害に強 いなどの特長があるが、動画においては遅延が起きやすい、チャンネル切り替え時に画像が途切れるといった課題があった。「シナプスネット」では、松下電器が培ってきたAV符号化・伝送技術やマルチキャストIP伝送・制御技術をベースとしたリアルタイムAVストリーミング技術により、これらの課題を解決しており、各種センサーとIP監視カメラを連携させ、高速でスムーズなカメラ映像切替を実現するシステムの構築などが可能である。
3)新規導入、リニューアルともにニーズ、システム規模、各種ネットワークに応じた柔軟な対応が可能。システム拡張、機能拡張も容易
「シナプスネット」に対応する機器・ソフトウェアを組み合わせることでユーザーニーズに合わせたシステムを柔軟に提供でき、機器やアプリケーションの拡張も容易に実現する。非IPシステムとの連携も可能で、リニューアルやフロアごとの拡張などへもフレキシブルに対応する。またIPの活用で、アナログでは困難だった2km以上の長距離動画伝送も可能になり、大規模・広域システムの構築も容易になる。ネットワークについてはIPベースのものに幅広く対応できるため、将来的にはケーブルインターネット、無線などへも対応していく。
4)省エネ、省線化、コスト抑制を実現
統合制御、一元管理の実現や各種センサー、監視カメラと空調、照明を連動させるシステムなどによりトータルな省エネルギーや運用コストの低減が図れる。ネットワークについては情報システム向けに敷設するイーサネットはもちろん、既存のネットワーク上に構築するIP網も活用できるためサブシステムごとの配線が不要になり、省線化や施工の簡素化が可能になる。また、アナログシステムに用いられる専用装置を汎用スイッチやルーターに置き換えることができ、初期投資の抑制、拡張時の低コストも実現できる。
【商品・システムの展開事例】
1)インテリジェントセキュリティシステム
入退室管理システムの作動やセンサーによる不正侵入検知、機器故障検出などに連動し、即座に監視カメラの切替・録画や、威嚇のための放送、照明点灯を行うことができ、異常時の録画履歴の簡単再生もできるインテリジェントなセキュリティシステムなどが実現できる。
柔軟なシステム構築、拡張が可能なため複数企業が入居する施設でもフロアごと、企業ごとのセキュリティ管理が可能になる。電子文書の暗号化、アクセス制御、侵入検知、ウィルス対策など松下電器が提供する情報系のセキュリティシステムや協業先の損害保険ジャパングループが提供するリスクコンサルティング、各種損害保険も組み合わせ高度な情報漏洩対策ニーズにも対応していく。
2)大規模/広域集中監視システム
大規模施設や公共インフラ、複数拠点などを無線を含むIPネットワークで集中的に監視できるシステムを「シナプスネット」をベースにして強化していく。多地点のリモート監視や画像解析情報を他システムと連動させる機能など高度なアプリケーションを実現していく。
3)統合型ビルマネージメントシステム
セキュリティ関連システム、防災関連システム、照明制御システム、空調制御システム、映像・情報配信システムなどを一元的に管理し、高度な制御や効率運営、省エネを可能にするトータルシステムを提供していく。


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