富士通フロンテックと富士通、富士通研究所は28日、日本板硝子と共同で国内で初めてUHF帯RFIDタグに対応したリーダ・ライタ用ガラスアンテナの実用化に成功したと発表した。この技術を活用することでコンパクトでデザイン性の高いアンテナ製品の提供が可能となり、RFIDシステムの実社会でのさまざまなシーンへの応用が期待される。 |
近年、貴金属や洋品の専門店、百貨店やホテル、レストランなどでRFIDを活用した「売れ筋管理」「盗難防止」「持ち出し品管理」「入退管理」などへのニーズが高まっているが、こうした施設では内装の雰囲気を重視し、出来るだけ利用者にシステムの存在を意識させず、関連機器を設置することが望まれている。 |
しかし、現状の13.56MHz帯の製品では、通信距離と指向性の技術的制限から応用製品の小型化・デザイン性の確保が難しい状況があり、これらの課題を解決するためにUHF帯への対応が期待されていた。 |
こうした状況を踏まえて富士通フロンテック、富士通、富士通研究所は日本板硝子と共同開発に取り組み、このほど国内で初めてUHF帯RFIDタグに対応した |
「ガラスゲートタイプ」と「ガラスケースタイプ」の2種類のリーダ・ライタ用ガラスアンテナの実用化に成功した。 |
ガラスゲートタイプは、これまで13.56MHz帯の製品では、例えば実用性を考慮すると人の身長以上のサイズとならざるを得なかったが、今回の技術成果を活用したことで100cm程度の小型化を実現すると共に、ガラス素材を用いることで圧迫感の少ないスマートなデザインが可能となった。 |
ガラスケースタイプは、アンテナをガラス面に直接印刷することにより、さまざまなサイズ・形状のケースに適用が可能である。また、ケース周辺の美観を損ねることもなく、利用者がシステムの存在を意識することはほとんどない。 |
この技術を活用することで、コンパクトでデザイン性の高いアンテナ製品の提供が可能となり、RFIDシステムの実社会でのさまざまなシーンへの応用が期待される。 |
富士通グループは、今春予定されている総務省令の改正によるUHF帯域開放にいち早く対応し、各種UHF帯RFID製品ならびに関連サービスを拡充することでユビキタス社会における安心・安全なインフラ構築の実現を目指すという。 |