三菱電機は、指紋による本人確認がガラス面に触れずに可能な世界初の非接触型の指紋センサーを開発した。今秋発売する。 |
装置に指紋を押しあて指紋の文様を読みとる接触型は、手荒れや汗、しわの影響でうまくできない場合があった。今回、同社が開発した非接触型は、つめの上から光をあてて、表皮よりも下にある真皮(しんぴ)の凹凸を分析し、手荒れなどに関係なく本人確認ができる。 |
同社は、真皮の凹凸を光透過率などで判別できることに着目し試作機を完成させた。接触型では手荒れなどで指紋登録ができない人が数%いたが、この技術だと100%近く可能だという。 |
カードの磁気データを盗み取るスキミング被害などへの対応を急ぐ金融機関は、幅広く顧客に対応できる本人認証方式をATM(現金自動出入機)に導入したいと考えているが、同社はこうした需要を見込んでソフトウエア込みで1セット10万円以下で販売する予定。 |
接触型は国内だけでも20社前後が商品化し、すでに携帯電話機やパソコンの本人認証に広く使われている。指紋以外の生体認証では、富士通が手のひらの静脈で、日立製作所が指の静脈での開発に成功しているが、三菱は指の内部の皮での判別で対抗する。 |