Secure-japan
header


診断
犯罪事例
セキュリティ情報
このサイトについて
  

三菱電機が光ファイバーセンサー応用セキュリティーシステムを開発
~1本の光ファイバーで総延長30㎞までの侵入者を瞬時に検知~

三菱電機は、このほど光ファイバーセンサーによる歪み検知技術を応用してフェンスや外構に設置された光ファイバーの振動・たわみ・引っ張り・切断などを検出する業界初の「光ファイバーセンサー応用セキュリティーシステム」を開発した。
本システムは、光ファイバーセンサーを応用しているので検知情報の長距離伝送が可能で、電磁界を発生せず、また電磁界の影響を受けないという特長がある。1本の光ファイバーで30kmまでの監視ができるため、広域の一括監視システムの構築も容易。空港などのレーダーサイト、発送電施設など余分な電磁波の発生を嫌う施設のセキュリティーシステムにも適している。
三菱電機は長年にわたる人工衛星用複合材料の開発を通じ、構造物がセンサー機能を有し、自らの健全性を自己診断できるような知的材料・構造システムを開発してきたが、今回の開発は光ファイバーのコア部に歪みや熱により反射光の周波数が変化するFBG(Fiber Bragg Grating/ 光ファイバーのコアの屈折率を周期的に変化させた回折格子。光ファイバーにかかる歪みや熱によって反射光の周波数が変化する)構造を繊維強化プラスチック(FRP)板に一体化させて埋め込み、歪みや熱を検知する光ファイバーセンサーを形成した。このFRP板は、機械特性に基づきフェンスの設置場所に合わせてカスタマイズしている。
さらに、この光ファイバーセンサーを応用し、引っ張りを検知する「テンションセンサー」、フェンスに対する侵入者の接触を検知する「振動センサー」、侵入者のフェンスの乗り越えを検知する「乗り越えセンサー」を開発し、これら3種のセンサーを組み合わせて侵入者を瞬時に検知する「光ファイバーセンサー応用セキュリティーシステム」を開発したもの。
本システムは、高信頼性センサーとして単独で機能するほか、監視カメラ・追尾システムと組み合わせることにより、高度な広域セキュリティーシステムが構築できる。
主な特長は次のとおり。
1)業界初の多点・多機能検知、上位システムとのインテグレーションも可能
引っ張り、接触、乗り越えの異なる形態の侵入を1本の光ファイバーで同時に検知できる業界初の多点・多機能検知システムです。さらに、監視カメラや追尾システムと組み合わせて、より高度な広域セキュリティーシステムが実現できる。
2)電源供給なしで広域をカバー、強電界や雷などの悪環境化でも安定動作
光ファイバーの特長を活かした長距離伝送能力により、1本で最大30kmまで監視可能。強い電界や雷害などの電磁的悪環境下でも安定して動作する。フェンスが直接受けた力学的歪み量をリアルタイムにモニターするので誤報の少ない侵入検知が可能。また、侵入者を監視するエリアでの電源供給が不要のため簡便な施工が可能。
三菱電機では現在、社内施設でセキュリティーシステムとしての有効性および信頼性¥の評価を継続しており、侵入者を瞬時に検出できる「光ファイバーセンサー応用セキュリティーシステム」として05年度中の製品化を目指している。


footer