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三菱電機が1,500㍍を1台のセンサーで監視できる「侵入者検知システム」を開発

三菱電機は16日、電波を利用して建造物等の周囲を最大1,500㍍にわたって1台のセンサーで監視することができる「侵入者検知システム」を開発したと発表した。このシステムは、多数のカメラや赤外線ビームを配置することなく、人間などの不審物が侵入したときに±3㍍程度の精度で侵入位置の特定ができる。カメラと組み合わせることで、より高い信頼性を持つ侵入検知システムを低コストで構築することができる。1台のセンサー装置でカバーできる範囲と位置検知精度は世界最高水準だという。
屋外における侵入者監視システムには、一般的にはカメラや赤外線ビーム装置が使われているが、次のような幾つかの問題がある。
・可視カメラは見通しの悪い悪天候下や暗い夜間の使用に難点があり、昼夜を問わず使用できる赤外線カメラは可視カメラに比べると高価。
・赤外線ビームは木の葉など飛来物などの外乱で誤検知を起こしやすい。
・これらの方式では、広範囲を監視し、かつ位置特定精度を上げるために多数のセンサーを設置する必要があり費用増につながる。
そこで、より少ないセンサーで広範囲を監視でき、かつ侵入物の位置特定が精度よくできる低コストなシステムが求められていた。
同社はこうした要求に応えて、電波を用いた「侵入者検知システム」を開発したもの。本システムはPTC(*1)と呼ぶ一対の電波送受信アンテナケーブルと信号解析部から構成され、敷設されたPTCを人間などが横切る際に生じる受信波のレベルの変動を検知し、レベル変動が生じた信号の送信から受信までの時間を正確に測定することで侵入位置が特定できる。
(*1)Pair of Transceiver Cables。センサー装置から注入した電波を放射するケーブルと、放射された電波を受信し、受信信号をセンサー装置に戻すことができる一対の電波送受信用のケーブル。
主な特徴は次のとおり。
1)1台のセンサーで距離1,500㍍を監視、低コスト監視システムが可能に
1台のセンサーで建物の周囲などを1,500㍍にわたって監視できることから、多数のカメラや赤外線ビームを配置する方法と比べ低コストで監視システムが構築できる。
2)広域監視システムで実用可能な±3㍍の精度で侵入を検知
信号の周波数帯域を拡散させて送信する「スペクトラム拡散」技術を応用することにより、送信波と受信波の時間差を精密に測定し、±3㍍の精度で侵入位置が特定できる。
3)降雨や風の影響を受けにくい高信頼性
降雨や風によるケーブル振動は誤検知の原因となるが、このような外乱要因による受信信号の振幅と位相の関係が侵入者の場合とでは異なることを利用した検出アルゴリズムを開発することにより信頼性を高めた。
同社では、広大な敷地を持つ重要施設の監視など、本開発の特長を生かせる分野での事業化を目指し、またパンチルトズームカメラと連動させることで侵入者の追跡も可能な、より高度な侵入監視システムとしての展開も可能だとしている。


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