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日立が太陽光を光源に利用した指静脈認証技術の開発に成功~自動車への搭載など屋外での使用が可能に~

日立製作所は、このほど太陽光を利用した指静脈認証技術を開発した。指静脈認証技術は、指に光を透過させて指の静脈パターンを観察する同社が開発した生体認証技術。今回、同社は太陽光に含まれる赤外線を光源として利用することに成功し、晴れた日の屋外では、専用光源を使わなくても、指を装置にかざすだけで瞬時に本人認証が出来ることを確認した。これによって屋外で利用可能な、未来の生体認証技術として、自動車のセキュリティ技術などへの応用が期待される。
近年、急速な情報化社会の進展に伴い、企業や自治体などで個人データ、機密に対する管理意識が高まり、これにともなって指紋、虹彩、顔、静脈など個人固有の特徴を用いる生体認証が、より確度の高い個人認証手段として注目されてきた。
これまで同社では、偽造されにくく、かつ精度が高いという特徴を持つ、指の静脈パターンを利用した指静脈認証技術を独自に開発してきた。現在、指静脈認証技術は日立グループにおけるセキュリティ事業の中核技術として入退室管理、PCへのログインなどの幅広い分野に適用されている。
さらに指静脈認証技術は、将来の応用分野として自動車の盗難防止といった屋外での利用が注目されている。直射日光が降り注ぐ環境下で、指静脈認証による個人認証が実現されれば指静脈認証技術の応用範囲は大きく広がることになる。
このような背景から、今回、同社では、太陽光を積極的に利用することによって、晴れた日の屋外では専用光源を使わなくても本人認証ができる、屋外利用に適した指静認証技術を開発したもの。
開発した技術は、次のとおり。
(1)太陽光を利用する指静脈パターンの観察方式
太陽光から指静脈認証に必要な光だけを透過させるフィルターと、静脈パターンを撮影するカメラの感度を自動調節するようにして、自然光を光源とする静脈パターンの認識に成功した。
太陽の光は、色々な波長の光が混ざった白色光であり、そこで指静脈認証に必要な波長の光だけを通過させるフィルターを利用した。このフィルターを通る光を光源に用いることによって、これまでの指静脈認証装置と同じように静脈パターンを観察できるようにした。太陽光の強さは一定ではないが、その場合は指の静脈パターンを撮影するカメラの感度を自動調節するようにして常に最適なコントラストのパターンを得られるようにした。
(2)太陽光が不十分な場合の指静脈パターンの観察
曇りの日や日陰など太陽の光が不十分な場合は、従来の指静脈認証装置と同様に専用光源が自動的に作動する。これによって、屋外のどんな条件でも適切な静脈パターンが測定できる。試作装置を用いた屋外実験では、太陽の当らない日陰から10万ルクスを超える明るい太陽光のもとで指静脈認証を実現できることを確認した。
今回開発した、太陽光を利用する指静脈認証装置は、屋外で利用可能な指静脈認証技術として幅広い用途が期待されます。同社では今後、自動車のセキュリティへの応用を目指して実用化を進めていくことにしている。


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