NTTアイティ(横浜市中区、橋田幸雄社長)は18日、監視カメラシステムの弱点といわれている逆光や光量不足で影となる場所での物体の認識について、実際の人の目のように画像を補正することができる監視カメラ用画像補正装置「SecureEye」(セキュア・アイ/248,000円)を11月1日から販売すると発表した。出荷開始は同月下旬にまず500台。 |
この「Secure Eye」は、APICAL社(Apical Limited: London, U.K.)*1 の画像補正技術「iridix」*2 を利用し、ストアネット(横浜市港北区、鈴木護眞社長)*3 により開発されたもの。NTTアイティは、1年前から本技術に注目し、ストアネットとともに「Secure Eye」製品化のための企画、支援を行なってきた。今後は日本国内をはじめ米国、東南アジア各国を中心に、活性化する監視カメラシステム市場に対して製品・サービスを提供していく方針である。 |
近年の社会情勢を反映して防犯やシステムの保守などを中心とした監視カメラシステムの需要は年々拡大しているが、従来の製品では建物の出入口部など日差しを受けた明るい入口から人が入ってくる場所ではカメラの露出は明るい方に合ってしまい、肝心の被写体は暗くなり、このため入ってくる人物の判別が困難になってしまうということが課題となっていた。 |
今回開発された「Secure Eye」は、こうした課題を解決するため人間の目をモデルとし、網膜にて取得した画像データが視神経に入るときに圧縮されてしまうにも関わらず、なぜ明/暗部がカメラよりも肉眼の方が良く見えるのかに注目。従来は見にくかった明/暗部を瞬時に認識し、補正する技術を応用することに成功したもの。 |
「Secure Eye」の概要は次のとおり。 |
「Secure Eye」は、監視カメラとビデオレコーダの間に挿入され、画像中の明/暗中の、通常の監視カメラでは認識しにくい部分について瞬時に自動で補正を行う装置である。 |
画像ごとに、その都度最適化するように自動調整・補正するので、屋外での監視のように、時間によって明るさが大きく変わる場所でも個別の調整などは全く不要である。 |
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「Secure Eye」の仕様は次のとおり。 |
〔映像入力部〕 ・映像方式:NTSC/PAL ・入力形式:アナログコンポジット ・入力コネクタ:BNCコネクタ 〔映像出力部〕(iridix変換) ・映像方式:NTSC/PAL ・出力形式:アナログコンポジット ・出力コネクタ:BNCコネクタ 〔映像出力部〕(パススルー) ・ 映像方式:NTSC/PAL ・出力形式:アナログコンポジット ・出力コネクタ:BNCコネクタ 〔制御部〕 ・外部制御:RS-232C (パラメータ設定時等) ・接続コネクタ:Mini-DIN-9Pコネクタ 〔その他〕 ・外形寸法:221mm(W)×145mm(D)×43mm(H) ・電源電圧:AC100V-240V 30VA |
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(語句等の説明) |
*1=APICAL社は、高度なイメージ処理技術を持つ英国のプライベートカンパニー。人間の目と脳が視覚情報を処理する方法を模倣する映像処理技術を様々なイメージ装置用に対しソフトウェアとデジタルハードウェア製品の両方にて提供している。 |
*2=「iridix」補正技術 カメラから入力される画像データより、その後圧縮・削減されてしまう明/暗部を、見やすいように明度を瞬時に調整・変更する。全体的に暗い部分が多くても、少なくても、その部分だけを抽出するために常に最適化が図れる。※説明中「明/暗部」とは、光量の過不足により見にくくなる部分を指している。 |
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*3=ストアネット社は、00年に設立されたセキュリティ、画像処理、ストレージシステムをターゲットにした新技術の事業化とソリューション業務を展開するNew Business Solution Provider。 |