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金属表面に貼れるICタグアンテナ開発

フェライト磁性材料の大手である戸田工業株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:戸田俊行、証券番号:4100)は、金属表面に取り付けても十分な感度が得られる、ソフトフェライト磁性を利用した、新しい原理のICタグ用アンテナを開発した。
また凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、証券番号:7911)は、金属面上でも対応可能な小形で高感度なICタグを開発し、両社で事業化することになった。
現在普及している電磁誘導を利用したICタグは、金属製品に使用すると金属面とコイル断面が並行になることで、識別が困難なもので、一部では金属対応タグとして、金属とタグに磁性体を介在させて識別を可能とした製品もあるが、コスト面で課題があった。
今回開発したアンテナでは、コイルを磁性体により構成し、コイル断面を金属面と垂直に配置することにより、従来のような磁束の打ち消し現象が発生せず、金属表面でも送受信を可能とすることが出来るようになった。
受信感度は、現在普及しているループアンテナ方式のICタグは、コイルの断面積に感度が依存しているため、小型化するとコイル面積が小さくなり感度を高める事は原理上難しくなってしまうが、新しく開発したアンテナでは、磁性体にアンテナコイルを巻線するという方法を採用。コイルの断面積、巻数のみならず磁性体の比透磁率が有効に働くことにより、アンテナの感度を大きく向上させることが可能になり、結果、従来よりも小型で高感度なアンテナを実現する。
このアンテナに最適なフェライト磁性材料を同時に開発したため、大量で安価になった。
サンプル価格は百数十円程度で、数年先には数百万個以上を想定している。
特徴として、フェライト材料は、比透磁率が200と高く、使用温度に対して十数ppm/℃と言う高い安定度を持っている。また、900℃という低温での焼成を可能としたことで、フェライトのグリーンシート化による回路印刷が可能となり、積層プロセスにおけるアンテナの一貫生産が可能になった。
従来の金属対応タグが使用できなかった小型金属機器、金属部品をはじめとする金属製品での製品管理、工程管理などを市場として狙っている。


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