日本板硝子は15日、ICタグに対応する「ガラス製リーダアンテナ」を開発し、今後これを活用した「ICタグ応用ソリューション」の事業化を推進すると発表した。日立製作所の協力でマーケティングを行って開発したもので、今後、ICタグ応用ソリューションを日立と共同で9月までに開発し、販売を開始する予定である。 |
日本板硝子では、かねてから今後成長が期待できるRFID分野において、ガラス関連技術の応用およびその事業化を検討し、03年12月から日立と共同で本分野におけるマーケティングを行い、その結果をもとに店舗陳列ケースや棚などの上に置かれたICタグと通信するために必要なガラス製リーダアンテナを今回開発したもの。 |
このガラス製リーダアンテナは、非接触通信、複数同時読み取り機能により、ICタグを装着したあらゆる物品の位置検知を自動的かつスピーディに処理することが可能だという。 |
日本板硝子と日立は、これを利用した各種の応用システム及びサービスを開発し、お客のニーズに応えるICタグ応用ソリューションとして提供していく計画である。 |
ガラス製リーダアンテナの特徴は次のとおり。 |
1.ガラス素材の設備・機器などとの一体化が可能 |
棚、ドアなどのガラス素材の使われている環境下でICタグを導入する場合、今回開発のガラス製リーダアンテナに置き換えることにより、新規にリーダアンテナを設置するスペースなどが不要になる。 |
2.デザインに対する高い要求への対応が可能 |
例えば、アパレル・宝石などの販売店舗のショーケースなど、デザインへの要求が高い用途においても、そのニーズに応えることが可能である。 |
3.耐環境性に優れており、あらゆる場所での適用が可能 |
ガラス素材が持つ紫外線、雨(水)などに対する優れた耐環境性により、屋外などのあらゆる場所での利用が可能である。 |
〔ガラス製リーダアンテナを使用したICタグ応用ソリューションの適用例〕 |
○店舗での商品管理 |
ICタグを商品値札に装着し、ショーケースの「ガラス製の商品棚リーダアンテナ」を利用して、商品の在庫ロケーションを一括検知する。これにより、店舗での商品在庫管理(棚卸)の効率化・省力化、及び顧客サービス向上を実現。 |
○図書館、書店での書籍管理 |
ICタグを書籍に装着し、ガラス製の書棚リーダアンテナを利用して書籍の在庫ロケーションを一括検知する。これにより書籍の棚卸、書籍の場所検索の作業効率が向上する。 |
○オフィスビルでの入退室管理 |
ICタグを社員証などに装着し、ガラス製の扉・ドア型リーダアンテナで社員証を読み取る。例えば、社員証を首に掛けた従業員が自動ガラス扉に近づくと、社員証を検知して入室可能であればガラス扉が開く。従来の入退室管理システムのように、新規にICタグ用リーダアンテナを設置することなく、従業員のアクセスコントロールが実現できる。 |
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