松下電工は26日、通学路やマンション周辺などの屋外エリアで、子どもが危険を感じた時に周囲に異常を知らせると同時に、現地での運用にもよるが管理センターなどへ素早く通報できる「子ども緊急通報装置」を4月21日より発売すると発表した。もちろん子どもだけでなく、どなたでも使用可能。システム標準価格(税抜)は、約1,000万円(自立型通報装置7台の場合)(施工・調整費別途)で、06年度は20システム/年の販売を計画している。近年増えつづける犯罪の中で、特に子どもに対する傷害・誘拐などの街頭犯罪の対策として平成14年度に警察庁は全国47都道府県それぞれに子ども緊急通報装置を設置したが、同社も11ヶ所に納入した。その後警察以外にも各地域の整備事業、通学路やマンション周辺などにも設置を求める要望が増えてきた。そこでこのほど警察だけではなく,地域や街ぐるみでセキュリティを高めたいという民間の要望にも対応する「子ども緊急通報装置」を開発したもの。 |
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主な特長は次のとおり。 |
(1)「子ども緊急通報装置」は、現地に設置する通報装置(最大12台)と制御装置(通報装置に内蔵可能)、そして遠隔地の屋内に設置する受付装置で構成。 |
(2)通報ボタンを押すと、周囲に異常を知らせると同時に受付装置へ映像と音で通報。 |
例えば、通学路で子どもが危険を感じた時に付近の通報装置の通報ボタンを押すと、通報装置の警報ブザーが鳴動し、通報装置上部の赤色灯が点滅して周囲に異常を知らせる。同時に、通報装置に内蔵したカメラとスピーカーにより、映像と音で遠隔地の受付装置に通報し、現場の状況を伝える。通報装置と受付装置は会話できるようになり、受付装置から犯人への威嚇や通報者への指示が行える。なお、事件発生時の状況が後から確認できるようにボタンを押す15秒前からの映像を記録することができる。 |
(3)屋外環境を考慮した光ケーブル対応 |
通報装置は屋外に設置されるのが一般的だが、通報装置間の配線で雷や電力線からの誘導による影響を受けにくいように、光ケーブルによる配線を採用し、安全に配慮すると共に、通報装置間の配線が光ケーブルだけという省配線も実現した。 |
(4)運用面やメンテナンスを考慮した商品設計 |
本商品は、屋外で多箇所に点在したかたちで設置されるので、次のように運用面やメンテナンスに対する配慮を行っている。 |
・スピーカー音量3段階切替可能/設置される通報装置の騒音環境に合わせて音量を調節することで通報時の音声が聞き取りやすくなる。 |
・呼出中表示で通報中ということを音声とランプで容易に確認/通報ボタンを押した場合、通報装置では警報ブザーだけでなく、音声メッセージと呼出中ランプの表示を行うことで周辺の人にも容易に通報中であることを知らせることができる。 |
・赤色灯はメンテナンスフリーのLED方式/LEDは長寿命のためランプ交換は不要。 |
・現場要望に即した配線方式を選択可能 |
1)送り配線方式:各通報装置間を送るだけの配線方式。通報装置の増設コストを抑制できますので、数年に渡っての段階的設置が可能。 |
2)スター配線方式:制御装置から各通報装置までを個別配線で接続する方式。万が一の断線時などでもシステム全体への影響を最小限に防ぐ。 |
3)赤外線通信方式:国道や川などをまたがる配線が必要な場合は、赤外線通信方式により無線で接続することが可能。 |
4)電話回線:制御装置と受付装置の間は一般加入回線のデジタル回線を使用する方式。 |