日立国際電気は28日、一般監視カメラなどのアナログ映像信号をデジタル化(MPEG-4圧縮およびJPEG圧縮)し、LANに接続することにより、イントラネットやインターネットなどのネットワークに動画を配信することのできるWebエンコーダ「PT-IP150T」(295,000円)、および配信されたデジタル動画を伸張してアナログのNTSCモニターに接続することのできるWebデコーダ「 PT-IP150R」(295,000円)を3月20日から発売し、4月20日から出荷を開始すると発表した。 |
今回発売のWebエンコーダは、MPEG-4圧縮とJPEG圧縮の両方を同時に実行でき、MPEG-4圧縮では低ビットレートで高画質かつ動画性に優れたリアルタイム映像を、JPEG圧縮では高ビットレートで高画質な映像をネットワーク上のクライアントPCに配信することができる。また映像の配信に加えて、音声(ADPCM)の配信、遠隔カメラ制御(同社製雲台一体型カメラなど)、アラームなどの接点入出力のモニタリング、遠隔設定などができる。さらにはコンパクトフラッシュメモリのスロットを装備し、アラーム情報などにより高画質の静止画を記録することができる。 |
また、同時に発売のWebデコーダは、配信されたデジタル映像や音声を伸張してアナログの映像信号および音声として出力し、さらに専用操作器やシリアル・スルー機能、接点入出力機能などによりカメラなどの制御ができるので、PCを必要としない監視も可能である。 |
いずれの装置も大幅な小型化(同社容量比:約31%減)を実現し、設置における自由度も高めている。 |
これらのWebエンコーダおよびWebデコーダを用いることにより、ネットワーク接続機能を持たない多様な種類の監視カメラ、モニター、記録システムなどをネットワーク型監視システムとして用いることができ、MPEG-4、JPEG、音声、アラーム情報、カメラ制御などのマルチ配信により、高度で多様なネットワーク型の監視システムを構築することができる。 |
今回のWebエンコーダ/デコーダの発売により、同社のネットワーク型監視システムの対応機器はWebエンコーダ4機種、Webデコーダ3機種、ネットワークカメラ5機種となり、多様なネットワーク型監視システムへの対応が可能となった。 |
主な特徴は次のとおり。 |
1)最新のMPEG-4圧縮技術により、高画質のVGAサイズ(640×480)、30枚/秒のフルレートで約2Mbpsの高効率伝送が可能。従来のMPEG-4圧縮より低遅延のため、カメラ制御の際も最小の時間ずれで操作できる。 |
2)JPEG圧縮ではさらに高画質の映像配信が可能で、録画用に最適。 |
3)エンコーダ側にコンパクトフラッシュメモリのスロットを装備、アラーム情報などにより高画質のJPEG静止画像を本体で記録することができる。 |
4)音声の圧縮、伝送により、音声のモニターも可能。双方向の伝送が可能なため、モニター側と現場との連絡用としても使用できる。伝送レートは用途、伝送路に応じて16、24、32、64kbpsが選択できる。 |
5)MPEG-4、JPEG、音声のマルチ動作により録画用には高画質のJPEG画像、モニター用には低ビットレートで動画性の高いMPEG-4、さらには現場の状況を見ながらの音声通話など多様な運用が可能。 |
6)従来機種との互換性に優れ、PT-IP150Tの監視画面(ブラウザ画面)において、従来機種のエンコーダおよびネットワークカメラの画像を表示できる。 |
Webエンコーダ「PT-IP150T/デコーダ「PT-IP150R」の主な仕様は次のとおり。 |
・ 映像入力:NTSC、1CH ・音声入出力:入力1CH、 出力:1CH (双方向) ・解像度 640×480、640×240、320×240、160×120 ・ 映像圧縮:MPEG-4圧縮方式、JPEG圧縮方式(同時可能) ・音声圧縮:G.726(ADPCM)32/24/16Kbps、G.711(PCM)64Kbps ・処理速度:最大30フレーム ・カメラ制御:制御インターフェース:RS-232C/RS-485(2線式) ・ネットワークインターフェース:100Base-TX/10Base-T ・ 接点入出力:入力8、出力12CH ・プロトコル:TCP/IP、UDP、FTP、HTTP ・ 動作環境:温度0~40、湿度10~85% ・同時接続数:最大20クライアント ・電源・消費電力:AC100±10% 50/60Hz 約20W ・外形寸法・質量:180(W)×44(H)×235(D)mm(突起部除く)、約1.6kg |